ICON公式ブログ

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静岡大学コンテンツ制作サークルICONの公式ブログです

モデリングなんもわからんけど美少女MMDモデル錬成してみた【ICONアドベントカレンダー2022 1日目】

この記事はICONアドベントカレンダー2022 1日目の記事です。

メリークリスマス!!!
みなさんこんばんは。プロ班のCrepeです。

この記事はモデリング知識のない私が他力本願でMMDモデルを錬成してみた体験記です。

「オリジナルキャラ作ってみたい!」「MMD興味ある」「彼女欲しい」という人は参考になるかもしれません。(参考になるとは言ってない)

よく考えたら、今日こんな記事を投稿するのはだいぶ業が深いなと執筆中に思い至りました。でも気にしないことにします。踊る美少女(美少年)を眺めていれば、恋人がいなくても寂しくないですからね!(血涙)

それでは、参りましょう。

はじめに

弊サークルには『iconちゃん』と呼ばれるマスコットキャラクターが存在します。グラ班さんのイラストや、新歓や学園祭で作られるICONのポスターやチラシでよく観測されます。このブログのサムネイルにも度々登場していますね。

音符のついた白いベレー帽と黄緑のワンピースを着た姿で描かれることが多い金髪碧眼美少女です。

今回、機会がありこのキャラクターの簡易的な3Dモデルを(勝手に)錬成しました。

Unityで遊んでいただけの筆者にモデリングの知識は一切ないのですが、マウスカチカチしてるだけで金髪碧眼美少女が爆誕してしまいました。なんて時代だ。いやホントに先人の皆様方には頭が上がりません。

というわけで今回はこのiconちゃんの製作工程をご紹介します。

なお、この記事は詳細に手順を説明するような技術記事ではありません。ネット上に無数に記事があるので、細かいやり方は各自で調べてください。

iconちゃんに狂わされたオタクの奮闘記だと思って、生暖かい目でご覧ください。



美少女(美少年)の錬成、実はハードルが低い

今までは人型のモデルを制作したい場合、Blender等のモデリングソフトを使う必要があり、専門知識や長い時間が必要でした。

しかし、VroidStudioの登場により、モデリングの知識が一切なくても、人型モデルを簡単に作成できるようになりました。

加えてVroidで制作されたモデルをMMDに変換するツールも次々に開発され、現在ではツールをダウンロードしてマウスカチカチしてるだけで簡易的なモデルなら制作できるようになりました。

今回使用したツールとは違いますが、以下の記事で初心者向けに本当に丁寧に解説されているので、是非冬休みの暇な時間にやってみてください。マジで簡単です。ツールのダウンロードさえできれば割とすぐできます。すごい時代になりましたね……

rio-vroidmmd.hatenablog.com

正直、この現状を伝えて「みんなもやろうぜ!」と言うのがこの記事の目的の大半を占めます()

自分の性癖を詰め込んだキャラが踊っているのは本当に健康にいいので全人類やってください。

ほら、やって。こんな記事読まなくていいから。



iconちゃんができるまで

MMD制作は大まかに以下の流れで進めていきました。各工程について順に触れていきます。

  1. VroidStudioでキャラ制作
  2. 変換ツールでMMDモデルに変換
  3. pmx編集ツールで微調整

VroidStudioでキャラ制作

vroid.com

VroidStudioとは初心者でもマウス動かすだけでキャラが作れるなんかすげぇツールです。

Vroid公式サイトのヘルプでは以下のように紹介されています。

VRoid Studioは、人型アバター(キャラクター)の3Dモデルを作成できるWindowsMac用アプリケーションです。どなたでも無償で利用できます。作成した3Dモデルは、VR/ARコンテンツ内でアバターとして利用するなど、商用・非商用を問わず、さまざまな用途に活用できます。

引用元:VRoid Studioとは何ですか? – VRoid ヘルプ

本来、人間の形をしたモデルを一から制作しようとすると、専門知識や途方もない時間が必要ですが、VroidStudioではあらかじめ用意されたプリセットやパラメータを設定するだけで初心者でも簡単にオリジナルの3Dキャラクターを制作することが出来ます。

製作したものはVRで遊んだり、自作ゲームに組み込んだりと商用・非商用を問わず活用できます。こんな風に(ダイマ

モデル作るだけでも十分楽しいので、是非一度触れてみてください。



変換ツールでMMDモデルに変換

VroidStudio等で制作したモデル(vrmファイル:以後vrmと表記)をpmx(MMDモデルのこと)に変換するツールは多数存在していますが、現在では冒頭で紹介した記事に出てくるVroid2Pmxがおそらく主流のようです。(どのツールも一長一短あるみたいですが)

変換するだけなら1クリック。テクスチャやモーション、表情の破綻も少ないという優れモノ。すごい。

自動でボーンも剛体(当たり判定)もやってくれますし、髪やスカートの材質やウェイトもほぼ全自動。とんでもない時代だ……

ただこのツールにも弱点があり、VroidStudio以外で出力されたvrmでは不具合が起こる場合があります。

VroidStudioではアクセサリーがつけにくいので、装飾を豪華にしようとすると、VroidStudio以外のツールで作業する必要があります。VroidStudioではベレー帽が限界でした……

Vroidで制作した限界ベレー帽(髪)

そして、アクセサリーをつけるにはUnityでUniVRMというライブラリアセットを用いるBlender?何それ美味しいの?のですが、当然UniVRMで出力したモデルはVroid製ではないので不具合が出ることがあります。

iconちゃんにも音符のアクセサリーを付ける必要があるため、この問題にぶち当たりました。Vroid2Pmxでは出力できず、他のツールでも不具合の嵐……

テクスチャ……
足元に落ちた音符

そして、なんやかんやあってたどり着いたのがVrmToPmxExporterでした。

これはUnityプロジェクトで配布されるため*1、UniVRMが前提の設計になっているのかVroid製以外のvrmでも問題なくpmxに変換してくれます。一般的にはUnityの導入が面倒なのであんまり人気が無いようですが、Unityに慣れていたこともあって個人的には一番扱いやすかったです。Vroid製以外のvrmを変換できるのはおそらくこれだけでした。Blender?何それ美味しいの?

多分偶然ですが、ついでに髪の揺れ具合も比較的綺麗に出来ました。以下のgifではしろたび様のHappy Halloweenダンスモーションを利用しています。

左:Vroid2Pmx 右:VrmToPmxExporter

実は音符を足すだけならVroid2Pmxでpmxに変換した後に、MMDのアクセサリーとして追加する方法もあるんですが、この髪の物理が決め手になってiconちゃんはVrmToPmxExporterで制作しました。髪の微調整なんてマジでなんもわからんので……

ロングヘアが荒ぶる人はVrmToPmxExporter使ってみるのもありかもしれません。



pmx編集ツールで微調整

貫通のないスカートを求めて

VrmToPmxExporterで出力しただけのモデルにも一応物理は入っているんですが、もっと滑らかに動いて欲しかったので、PmxTailorというツールでスカートの物理だけ入れ直しました。

もちろん、物理の入れ方なんてちんぷんかんぷんなので先人たちの知恵に頼ります。いろんな方法があるようですが、わたしは貫通知らず君というツールを使いました。VrmToPmxExporterで出力したモデルに元々ついているスカートのボーンや剛体、ジョイントを削除すれば、問題なく設定できました。

rio-vroidmmd.hatenablog.com

rio-vroidmmd.hatenablog.com

かなり良くなったと思います。

左:修正前 右:修正後



剛体(当たり判定)の調節

アクセサリーも髪の揺れもスカートも完璧。しかし、最後の難関が残っていました。

pmxには剛体と呼ばれる、体の当たり判定となる物理設定が存在します。剛体は箱型や球、カプセルの形をとって全身やスカートを覆います。剛体同士が接触することで髪が手にあたって揺れたり、スカートが変形したりといった、リアルな物理挙動を再現します。以下の画像はSour式初音ミクの剛体です。惚れ惚れしますね……

しかし、VrmToPmxExporterで出力したiconちゃんの剛体はこれです。スカートの剛体は非表示にしています。

ひざから下の剛体がありません。どうして。

スカートの物理を直しても足がスカスカなのでそりゃ透けますよね。

これを直すためにはひとつひとつ位置合わせして、大きさ調整して、ボーンと関連付けて…………(絶命)

モデリングなんもわからん人間にはちょっとハードルが高すぎました。

そこで、先人の力を借ります。

先ほどチラッと触れたVroid2Pmxという変換ツールでは、Vroid製モデル限定ではありますが、1クリックでほぼ完璧な剛体がついたモデルができます。 iconちゃんももとはVroid製モデルですし、音符の有無しか違いがありません。

これ、移植すればいいのでは?

というわけで、せっかくなのでVrmToPmxExporterで変換したモデルの剛体を爆速で修正する方法を軽く紹介します。多分これが一番早いと思います。(要検証)*2

まず、PmxEditorでVroid2Pmxで出力したモデルを開き、Pmx編集ウインドウで剛体タブを開きます。

足に関連する剛体をすべて選択し、右クリックして「CSVファイルへ保存」を選択して、csvを保存します。

VrmToPmxExporterで出力したモデルを開き、剛体タブで剛体名が並んでるところを右クリックし、「csvファイルから追加/更新」を選択して、先ほど保存したcsvを開きます。

一番下に追加した剛体がいるので、それらをすべて選択して右下の「頂」を押して先頭に移動させます。

先頭に移動したら、「↓」を押してもともとの足の剛体がある場所の上か下にそれらを移動します。場所がわからないときはウィンドウを最大化すると、剛体名の末尾に関連するボーンが書かれていました。(右足、左足など)

追加した剛体のグループを、もともとの剛体に合わせます。非接触の設定次第ではすり抜けてしまうので注意しましょう。

最後に、もともとあった足に関連する剛体を削除します。消したい剛体を右クリックして「削除」でOKです。



踊らせてみた感想

楽曲の著作権等々が怖いので感想だけですが、マジで楽しいです。

自作キャラということで愛着も湧きますし、生協パソコンでもある程度ぬるぬる踊ってくれるので感動ものです。エフェクトを入れれば見違えるほどきれいにできます。

みんな、作ろう!



まとめ

  • 知識ゼロでもオリジナルキャラを錬成して踊らせることができるぞ。
  • Vroid製モデルを踊らせるならVroid2Pmx、そうでないならVrmToPmxExporterがいいぞ。(多分)
  • VrmToPmxExporterで変換したらスカートは直した方がいいぞ。
  • 剛体を直すなら、Vroid2Pmxで変換したモデルから移植した方が早いぞ。
  • 美少女(美少年)、作ろう。



あとがき

最近、梅昆布茶にはまっています。(唐突)

TRPG*3配信で出てきて知ったのですが、本当においしいです。昆布の出汁、お茶、梅干しという日本人の好きなものを全部詰め込んだ、日本人絶対ぶっ刺すドリンクでした。少し塩分が効いているのでお茶というよりはスープの感覚に近いです。結構な満足感が得られるので、間食代わりにもなります。あれで酒飲めるかもしれません。梅が苦手な人は普通の昆布茶でもいいです。是非飲んでみてください。

最後になりますが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました!



謝辞

*1:今回はneon-izm様のVrmToPmxExporterSetupを利用しています。

*2:後日調べたら諸々の移植がすぐできるプラグインもあるみたいでした。すごい。

*3:ゲーム内のキャラクターになり切ったプレイヤー同士の会話や、ルールブックに従って進行する対話型のロールプレイングゲームYouTubeに動画が多数投稿されています。